STORY

 兵庫県高圧ガス協同組合は、1960(昭和35)年11月、山下英正(水島酸素商会)・橋本俊一(橋本酸業、現ネクスト・ワン)・辰巳修(辰巳泰造商店、現タツミ産業)・江草松太郎(兵庫溶材)・大岡ニー(大岡酸素商会)・藤岡福夫(藤岡商店)・小池日出吉(神戸醜業)の7人を発起人とし、県下の有力高圧ガス溶材販売業者24社により設立されました。
 組合発足の前年にあたる1959(昭和34)年5月、淡路島洲本・四州園において第16回全溶連大会が、組合の前身である兵庫県酸素熔材商組合と、大阪府熔材組合(現大阪府高圧ガス熔材協同組合)の共同で開催されています。その翌年、両組合は共に生まれ変わり、昭和32年改正された「中小企業等協同組合法」に基づいて、「高圧ガス」を冠した中小企業協同組合を誕生させたのです。
 東部に阪神工業地帯、西部に播磨臨海工業地域という二大工業地帯を抱え、日本経済発展の牽引車的役割を果たしてきた兵庫県にあって、高圧ガス供給業者集団である当組合は、産業界発展とともに順調に発展し、組合員のみならず、高圧ガスの保安活動を通じて県政、県民生活の安寧に貢献してきました。

 巨大な市場に加え、維新により西洋文明の輸入港として、外国人居留地も抱えていた神戸を中心に据え、兵庫県は日本最初の高圧ガス製造装置を陸揚げし、同時にその発信・発送基地ともなりました。
 その歴史を背負い、以後未曽有の高圧ガス事故による被害を受けることとなった兵庫県は、自らが産業保安に注力するにとどまらず、組合と、当組合が後日立ち上げた兵庫県高圧ガス保安協会など、産業界と一枚岩となって、高圧ガスの安全な利用を推進してきました。

「中小企業協同組合」は、脆弱な経営基盤の個々では、困難な事業を共同で行うためにあり、資金的経営支援や、団体協約締結など、会員間の経済問題も解決を期待される団体として誕生しました。特に当時高額資産であった、高圧ガス容器の共同購入などの事業は高評価でした。
 しかし、国内の中小企業に対する経営や教育などの支援体制が充実し、会員企業の経営基盤が安定するなどの時代の趨勢から、共同でなければ行えない事業の方向性に、経済的な問題は影を潜めることになっていきます。

高圧ガスに対する規制は、取締法から「高圧ガス保安法」への改称と同時に、自己責任と自主保安の時代を迎えます。
 加えて、容器を基本に流通を行う、供給業者の自主保安の形を明示した「兵庫県高圧ガス容器保安対策指針」も発表されたことから、指針において供給事業者団体に指定された当組合の方向性は、組合員自らの販売活動の範囲のみならず、消費先保安の推進をもを見据えた、業界全体が生存し続けるための必須課題に絞られてきたといえるでしょう。

 現在、阪神・神戸・姫路の3支部に56事業所が加盟する兵庫県高圧ガス協同組合は、容器を中心とした高圧ガス供給における保安の確保を旗印に、会員である加盟販売店、および消費事業所などへの啓蒙活動を果敢に行い、あるいは危険な放置容器や、環境に悪影響を及ぼすフロンガス等の回収処理にも尽力し、容器保安対策指針の推進、周知を展開してきました。
 長年にわたるその活動内容は、行政はもちろん、全国の業界からも高く評価されています。