PROJECT (Training session)

消費者保安講習会事業

消費者保安講習会の発足

 本事業は、1967(昭和42)年6月26日に「第1回高圧ガス需要家保安講習会」と銘打ち、神戸市中央体育館を皮切りに県下十数カ所で行なわれ、年度内にのべ一万人に及ぶ受講者を集めてから、半世紀にわたって休むことなく続けられてきた。
 こうして始まった初年度は、同年改正された労働基準法(「就業制限」は昭和47年に労働安全衛生法に移行)で、「ガス溶接技能講習」が創設されたことを受け、しかも昭和の高圧ガス取締法時代は、兵庫県の主催、組合は共催という形で行なわれたため、多くの受講者を集められて今日につながっている。さらに1969(昭和44)年に組合から兵庫県高圧ガス保安協会が立ち上がって軌道に乗り始めたため、協会も共催する形で長らく無償で行ってきた。
 取締法時代、講習会で用いられたテキストは、県職員指導の下、組合の保安委員会と保安協会販売部会の合同委員会が、手分けしてわら半紙に謄写版刷りした簡易なものを作成、会場で配布していたが、1997(平成9)年以降、高圧ガス保安法への移行に併せて整備された、全国高圧ガス溶材商組合連合会の作成した二色刷りイラスト入りの印刷本「保安講習会テキスト」を購入・配布して利用することで財政難となり、消費者保安講習会の有償化に踏み切った。
 このため県が、営利事業とみなされてしまうという危惧から主催から外れ、以降は高圧ガス製造・流通業界の自主保安活動として、二者共催での実施で続けている。
 講師体制も、昭和時代は「酸素・アセチレン溶接溶断用途消費者向け」という色合いが濃かったため、労働基準局や、同協会にも講師依頼をしていたが、高圧ガスの応用用途の広がりや、利用形態の多様化から、ガス溶接・溶断用途以外の現場でも事故が発生するようになり、保安法改称以降は受講対象範囲を拡大するため、受講者も広く募集し、ガス溶接・溶断に特化した内容は、講習の一部に止められることになった。
 代わって、講師陣は従来の兵庫県産業保安課、開催地域消防本部に加え、近畿圏で活躍する、七社のエアガスおよびアセチレンメーカーの保安部門に講師を依頼し、最新の利用技術や供給形態に基づいた危険事例や、対処法が紹介できるようになって、以降このメーカーパートはPCでスライド資料をスクリーンに投射するプレゼンテーション講習が主体となる。 さらに2007(平成19)年からは座学だけの保安講習会に加え、参加者全員がアセチレンの消火訓練を体験できる体験型消費者保安講習会をラインナップに加えた。

 

容器保安対策指針と自作テキスト
 2011(平成23)年には「兵庫県高圧ガス容器保安対策指針」の発表を受け、同時に組合が作成した運用マニュアルを元に作られたテキストなどで3年間、指針を消費現場へ周知。現在も保安講習会においては、別添で必ず「兵庫県高圧ガス容器保安対策指針」を解説付きの書面で配布、徹底しているものの、この独自路線を開始した実績から、それ以降も講習会のテキストは毎年見直され、組合の自作となった。
 これは、全溶連保安テキスト利用時に、内容がほとんど変わらないテキストを、継続的に用いて受けた不評への反省であり、同時に指針発表の年度以来、県下の講習内容をほぼ統一するために、講師打ち合わせ会を開催したことにも起因しているが、そうしたことが可能になった背景には、もともと県の保安課指導の下、長い間組合員それぞれが、保安委員会としてテキストを発行できる、力を積み上げてきた成果に他ならない。ちなみに、2000年代に入ってから、それまでは味気ない事務用複写機レベルのコピーだった、ほぼ文字だけの講習案内を、テキストにあわせてフルカラー化、講習会の参加意義を訴える4コマ漫画も掲載し、開催内容にふさわしい文書とした。
 自作された講習会テキストは、県内だけでなく、全国の他団体でも採用され、2015(平成27)年に全溶連で全面改訂された保安講習会テキストは、前年度の組合作成テキストを元に作られ、2018(平成30)年には兵庫版保安テキストを近畿二府四県で共有することになり、翌年その更新版を全溶連テキストとして利用することとなった。
 現状、座学の「兵庫県高圧ガス消費者保安講習会」は毎年県下7箇所で行われ、うち5箇所(尼崎、神戸、明石、加古川、姫路)が固定で、2箇所は隔年ごとに場所(丹波、但馬、西播磨、淡路)を変えて執り行われている。一時中止していた労働安全関連の講義についても、2014(平成26)年から兵庫労働局の協力をいただいて復活し、翌年から作られたサブテキストで安全衛生関連資料や消防法関連資料を、容器指針と共に合本。さらに更新した本テキストに、安衛法と消防法は移行する形で、現行全国版テキストが完成。サブテキストは、兵庫県ローカルの情報に特化し、兵庫労働局による安全衛生の取り組み、県下市町の火災予防条例別の高圧ガス貯蔵届出要覧、そして容器指針の消費者向け解説などが残された。
 またヤード問題やテロ防止の観点から、盗難防止や高圧ガスの犯罪利用の抑制について、兵庫県警にもご挨拶をいただくなど、各監督官庁から高圧ガス利用におけるリスクに対して、幅広く情報提供や注意喚起が行われる機会となっている。

OTHER PROJECTS
販売主任者研修会事業

組合員教育(第4四半期)

 

 例年、兵庫県高圧ガス保安協会販売部会との共催で行われ、高圧ガス販売店に課せられている、従業者全員に対する保安教育を行うための、保安に関する最新の情報を提供するため、県下の販売主任者を集めて、毎年3月ごろ、神戸市内で行われ、毎回県下から百名以上の販売主任者に参加いただいています。

 県産業保安課から「立入検査の現状と事故事例」の内容で毎年基調講演をいただくほか、県下消防庁会(代表神戸市消防届)や兵庫県警の刑事部犯罪対策課などからもご講演をいただき、全溶連から発表されたばかりの発行物の紹介など、販売主任者が知っておかなければならないエッセンスを凝縮した内容になっています。

次世代経営研究事業

経営支援(第2四半期)

 

 1984(昭和59)年3月に「次世代経営研究会」が発足しました。工業ガス利用技術に関する見学会や研修会を字目的とした同会は、84年の立ち上げ時に、「最近の工業ガス利用」と「電子工業用ガスの現状」講演会を実施したのを皮切りに、賛助会員企業や近隣研究施設、大阪ガスプラント、神戸製鋼所などの見学会や研修会を毎年実施しております。
 溶材商社として、最も大切な工業用ガスをテーマに次代に目を向けた利用法やアプリケーションであるという観点から、その動向などについて会員相互で検証し討議しあう場をを設けたことは、当時としては業界に先駆けた取り組みとして評価されました。長年の成果が認められ、兵庫県中小企業団体中央会からも助成を受けて継続しています。
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体験型保安講習会事業

保安情報提供(第3四半期)

 消費者保安講習会において、消火などの実技を経験できる講習会を開催したいという組合員の強い希望から、様々なアプローチが検討された結果、全員が消火器によるアセチレンガスの消火を体験できる「体験型消費者保安講習会」を、少人数予約制で座学とは別に、2007(平成19)年から開催しています。
 座学受講者からのアンケート結果によると、「近くで日程があえば参加したい」という声が高い一方で、アセチレンガスの模擬装置による火炎でも開催できる場所は限られており、県下全域で行うというわけにはいきません。参加者の後日談で、参加後まもなくアセチレンの火災が発生し、参加者は落ち着いて消火作業に当たれたなどの成功例もあり、緊急時における訓練の重要性から、10年を経て継続開催されています。